NPOに対する税制優遇措置が緩和に

財務省は2003年4月から、民間の非営利組織(NPO)への税制上の優遇措置を下記のように拡充する。

NPO活動を税制面から支援するのは、介護などの分野で公的サービスの一部を担う動きが広がってきたためだ。
 現在の優遇措置は、国税庁長官が一定基準を満たすと認定したNPOへの寄付金について、特定公益増進法人(日本赤十字社など)への寄付金と同じ扱いにするのが柱である。
 個人の寄付の場合、年間所得の25%か、寄付金総額のどちらか少ない方から1万円を引いた額を所得から差し引ける。課税所得が減るので、寄付した人は所得税の負担が軽くなるという利点がある。


・総収入に占める寄付金の割合が「3分の1以上」あるNPOへの寄付に税優遇を認めている現行基準を「5分の1以上」に緩和する。

 現在は、公益性を判断するため、総収入に占める寄付金の割合が「3分の1以上」あることが、税優遇の条件とされている。しかし、NPO団体などから基準が厳しすぎるとの指摘が出ていた。実際、国や都道府県認証の特定NPOが9千弱あるのに対し、国税庁が税優遇の対象に認定しているのは、2001年10月の制度開始以来、わずか10団体にとどまっている。
 財務省は寄付金割合の基準を「5分の1以上」に緩和すれば、寄付した人が税優遇を受けられる団体が増え、寄付を集めやすくなると期待している。
 ただし、この基準緩和は2003年4月から2006年3月末までの認定申請を対象とする時限措置である。
 現行制度では、複数の市区町村で活動していることも税優遇の条件だが、この基準は廃止される。

・NPOの収益事業から本業の公益事業への支出を寄付金とみなし、所得の2割までを非課税とする。

 省庁が認可する公益法人には、年間所得の20%までの非課税措置がある。それに対し、NPOは国税庁が認可した団体でも適用されておらず、不公平との指摘が出ていた。
 収益事業の利益を一部非課税で公益事業で使えるようになれば、本来の活動の支援につながる。また、収益事情の利益に課税されるNPO自身の法人税負担も軽くなる。



NPOへの期待はどんどん高まっており、実際に社会の中で大きな役割を果たすようになってきています。しかしながら、多くの団体が依然厳しい運営状況にあります。
今回の税制優遇措置によって、NPOにもっと多くの寄付が集まり、運営しやすい状況になるとよいと思います。



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