大手出版社の角川書店(東京都)が、NPO(非営利組織)活動を支援する新雑誌の名称として「NPO」という言葉を特許庁に出願、今年4月に正式に商標登録されていたことがわかった。
これにより角川側がこの言葉を商標として独占的に使用できることになり、今後新聞や雑誌などのタイトルに無断で「NPO」という名称を使用すると同社の商標権を侵害する可能性が出てくるという。
NPO関係者は、定期刊行物に「NPO」という言葉が使用できなくなる、と猛反発。
同社に商標登録の取り下げを求め、場合によっては特許庁に登録の意義の申し立てを行う動きも出ている。
その波紋は美術関係者の間にも広がっており、NPO芸術資源開発機構(ARDA)の村上タカシ副代表は「NPOという広く一般に浸透している言葉を一企業が営利を目的として商標登録することは納得がいかない。
角川側は『非営利組織が機関紙等に「NPO」を使用することに対して商標権を主張するつもりは全くない』と今は説明しているけれど、時間が経って今後どんな対応に出てくるかはわからない。
ARDAの発展を阻害する動きにつながらないよう、NPO法人全体の問題として抗議していきたい」と話している。
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