3.額縁をつける


作品に額はつけたほうがいいの?どのような額を選べばいいの?

額についてどういう考え方を持つかということが、まず第1歩です。
「自分の作品を保護するためだけのもの」という考え方も一つですし、「自分の作品をよりよく見せる、人間でいう洋服のようなもの」と考えるのも一つでしょう。
しかし、本来額には「外の空間」と「絵の中の空間」を区切るという重要な意味があります。風景画、静物画など、作品をひとつひとつ独立した形で見せる時には不可欠です。しかし、抽象画や半立体画など、外の空間も巻き込み会場全体で見せたいという場合は、必ずしも額装する必要はありません。他に、透明なアクリルボックスに作品を入れて、外の空間との区切りを"あいまい" にしたり、作品と同じ材質のもので額のようにまわりを囲ったり、と様々な見せ方が考えられます。
工夫して、自分の作品に一番合う方法を選びましょう!
個展の場合
最大限自分の作品が映え、個展会場である画廊の中で最も映えるような額を選びましょう。

公募展の場合
・出品規定をよく読み、規定の範囲内のものを選ぶ。
  額の幅や材質が規定されている場合があるので注意。
・高額な額や、お気に入りの額は使用しない。
  公募展に出展すると、輸送の際だけでなく、搬入作業や審査、陳列、撤去、搬出という一連の作業で、時間的にもスペース的にも限られた中で作品移動が行われるので、額にキズがつくのは当たり前と考えた方がよい。
アルミ製の簡単な額縁か、木製の棒縁で十分。レンタル額も利用価値あり。

水彩の場合
表面にアクリル板など(ガラスは不可の展覧会が多い)を入れるので、ある程度しっかりした額縁が必要。マットを使う場合が多いので、マットの幅と作品の大きさとのバランスを考えて額を選びましょう。
自分でパネルに水貼りして、マットを作品に合わせて作成して、額装するのが基本ですが、代行してくれる画材店や搬入搬出業者もいます。
公募展に出展する場合に気を付けなければならない事
・額の裏の金具が出っ張ってしまうものは、他人の作品を傷つけてしまう恐れがあるので、使用するのを避けるべき。
・画面より額が出っ張っている状態が安全。
  作品の意図を害する場合は別だが、それなりの覚悟が必要。最低でも5mm位額のほうが出っ張っている状態が安全。棒縁を取り付ける場合には特にこのことに注意する。
・額は、作品にしっかりと取り付ける。
  ネジ、釘等でしっかり取り付けること。いい加減な取付けをすると、移動途中に額がはずれて他の作品まで巻き込んだ事故に発展する可能性がある。また、ガムテープのみで額に作品を取り付けるのは作品の為にもよくないので避けましょう。


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