全国に広がる!バリアフリーの美術館
掲載:新美術新聞(抜粋)
日付:14年9月1日
東京・練馬区のちひろ美術館が9/7、バリアフリーの美術館としてリニューアルオープンする。フロアに段差をなくし、入り口や展示室の扉はすべて自動ドアにした。身障者用のトイレも広くして専用の駐車場も設けた。また、幼児室や授乳室、子どもの図書室も完備、世代を超えて楽しめる美術館に生まれ変わる。美術館のバリアフリー化は全国的にも広がりつつある。さらに、赤ちゃんや小さな子どものいる人も気軽に美術館に足を運んでもらおうという動きも高まっている。

 石橋美術館(福岡県久留米市)はバリアフリー化をうたい4月にリニューアルオープンし、車椅子での来館者が倍増した。

 静岡県立美術館では、98年から託児・授乳室を新設した。託児は毎週土、日曜、祝日の利用で就学前の子どもが対象だ。美術館が民間の専門業者に委託し、保育士1名が常駐、2時間を目安にこどもを預かっている。「小さい子供がいると静かに鑑賞できなので外出できないという声を解消する考えが基本にある。県全体の少子化対策と美術館の入館者サービス向上の一環だ。」(同館総務課管理係長、渡井健之氏)という。ここは授乳室も兼ねていてこちらは連日利用できる。

 託児所は珍しいケースだが、都道府県立美術館では救護室と併用の場合も含めて授乳室を設けている館は多く、受付で申し出れば授乳やおむつ替えもできるようになっている。

 兵庫県の西宮市大谷記念美術館では、9/23までの「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」会期中の月曜と金曜の午後1時30分から2時間、6ヶ月から3歳までの子どもを対象に一時保育サービスを行っている。定員は各日15名。市の保育ボランティア5名以上と美術館員3名が対応。電話予約(0798-33-0164)が必要だ。3年前から1時保育を始めたところ、毎回定員オーバーとなる程の好評だ。担当の川辺雅美学芸課長は「保育の日時を決めることで預ける方も預かる側も集中できる。経験を重ね、ほかの展覧会でも行えるようにしたい」と話している。
〜『アートなび』編集部手記〜
 美術に触れる機会を阻害するものはできるだけ社会から省いて欲しいのは言うまでもありません。ハンデキャップのある方や子育て真っ最中の女性たちをつまはじきにしてしまう社会は問題でしょう。大人、子どもに関わらず、もっと気軽に美術館に訪問しようという気にさせる環境になって欲しいものです。莫大な費用のかかるバリアフリー化はなかなか進まないかもしれませんが、国や自治体、企業の協力でなんとか少しでも多くの美術館がそうなることを願います。


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